不安定な収入にまつわる不安

不安定な収入

年功序列型賃金や終身雇用制が崩れつつあるとはいえ、会社勤めからフリーランスになるというのはまだまだ気軽にできるものではありません。会社勤めであれば当然のように保障されるはずの安定した身分が無いということは、フリーランスになって初めて実感することなのです。まず収入が不安定であるということは、フリーランスを夢見る会社員として想像するよりも厳しいものであるのが通常です。
フリーランスは、自分自身で仕事を獲得しない限り収入を得ることがありません。会社勤めであれば雇用保険に加入することができ、万が一失業した場合にも相応の条件を満たしていればある程度次の仕事を見つけるまでの生活資金を保険から得られるものですが、フリーランスとしての仕事が途切れればその分だけ収入の無い日が続くことになります。仕事を依頼されても後払いであれば仕事が完成して無事支払いを受けるまで実質的には無収入ということにもなります。フリーランスは、経費やその他の実費についても前払いの契約をしていない限り自らの事業資金である程度賄う覚悟が必要ですし、そもそもどの範囲まで支払ってもらうことができるのかという点においても個々のクライアントとの契約次第なのです。

怪我や病気も自己責任

そして仮に仕事を順調に獲得できている場合であっても、怪我や病気などやむを得ず働くことができなくなった場合に生活の補償が無いという点もフリーランスにつきものの不安要素になります。雇用保険の他、会社勤めをしていれば同じく加入することのできる労災保険も個人事業主の場合特別加入が認められなければ原則として加入することができません。そのため、たとえ仕事のための移動途中や仕事に従事している時に遭遇した事故や怪我であっても、その医療費を自分の責任で負担しなければならない上にやむを得ず休業しなければならない期間の生活の保障も受けられないという現実が待っているのです。

備えあれば憂いなし

そこで特に個人事業主であるフリーランスは、自分の身を自分で守るという強い意識を持って常日ごろから不測の事態に備えておくことが大切になります。手元の資金に余裕のある時にもコツコツと貯蓄することを怠らず、またそもそもフリーランスになるにあたってある程度の資金的な余裕を確保しておくことが重要です。なお会社勤めを辞めてフリーランスとして独立すると、たとえ初年度の収入が低くても前年度の収入に応じて国民健康保険料などが算定されることになります。従って特に退職金を得ている場合などには要注意です。

  

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